上場6年目ベンチャー「第2の創業者」育成へ奇策 ゼロイチよりもM&Aを駆使「成長回帰」へ正念場
ネット印刷の仲介サービス「ラクスル」を運営するラクスル。2018年に株式上場し、順調に規模拡大を続けてきた。しかし株価は冴えず、今年8月には社長交代を実施。創業者からバトンタッチした新社長は金融分野の経験が長く、M&Aによる成長を目指す。そして「第2の創業者」となるべく、ハイリスクハイリターンな異例の報酬体系が設けられた。
上場6年目のベンチャーが、創業来の転機を迎えている。ネット印刷の仲介サービス「ラクスル」を運営するラクスル。伝統的な印刷業界の仕組みを効率化すべく、2009年の会社設立から事業展開を進めてきた。
売上高は上場時の2018年7月期の111億円から、今2024年7月期は500億円水準まで拡大。営業利益も9300万円の黒字から、今期は営業益20.8億~22.8億円を見込むなど、順調に事業拡大を続けてきた。まさにベンチャーから、中堅企業へ変貌を遂げたと言える。
ところが株価は冴えない。2021年11月に3655円の高値をつけた後、2022年6月には上場来安値の711円まで急落。その後は1500円手前で推移する。PERは45倍付近とネット企業では珍しくない水準ながら、決して割安ではない。
金融分野に強い2代目CEOへバトンタッチ
株式市場からの評価が芳しくない中、ラクスルは8月に社長交代を行った。創業者の松本恭攝(まつもと・やすかね)氏がCEOを退き、CFOだった永見世央(ながみ・よう)氏が新CEOに就いた。
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