経済学がまとう威光はたいへんなものだが、それでも経済学は社会科学の域を出ない──。今日の世界経済の不透明感は、私たちにそうした事実を思い起こさせるものとなっている。ここ1年の大きな動きの多くはコンセンサス予想から乖離しており、私たちの理解の限界があらわとなった。
予想に反した世界の景気
専門家やエコノミストの多くが米国の景気後退入りを予想していたのがよい例だ。米国が景気後退を免れているだけではない。直近のインフレ率の鈍化を受けて、証券会社などのエコノミストの多くは景気後退予測そのものを見直すことになった。金融市場では、政策当局が実際に軟着陸(ソフトランディング)を達成できるという見方がにわかに広まり、株価は上昇を続けている。ここでいう軟着陸とは、景気後退や失業の急激な増加を招くことなく、インフレ率が当局目標の2%前後に回帰することを意味する。
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