民主主義の後退に直面している国では、選挙はつねに国家の命運を左右する重大イベントとなる。最近では、「自由だが不公正」と呼ばれたトルコの大統領選挙がそうだった。同様に、今年秋に予定されるポーランドの総選挙では、民主主義そのものが危機にさらされることになる。
2015年に権力を握って以来、ポーランドではポピュリスト政党の「法と正義(PiS)」が司法に介入し、市民社会を脅し、独立したメディアを閉鎖に追い込むべく執拗に圧力をかけてきた。国民の怒りと不満に付け込む政治によって都市部と地方の有権者の対立をあおり、愛国的に美化した神話的歴史観を振りかざしている。
その意味でPiSは、トルコのエルドアン大統領、ハンガリーのオルバン首相と同じ道をたどっている。オルバン氏率いるハンガリーは今も欧州連合(EU)の加盟国ではあるが、もはや民主主義国とは見なされなくなっている。ポーランドが違うのは、事実上の最高権力者であるPiSのカチンスキ党首が、自身への批判をかわす盾として大統領に別の人物(ドゥダ氏)を据えていることくらいだ。
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