さる先生が実践、ChatGPTなど生成AI活用で「学校の授業と働き方問題」に大変化 文科省「生成AIガイドライン」踏まえた活用とは

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文部科学省から7月4日、「初等中等教育における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」が公表された。今後、学校で生成AIを活用していくうえで参考となる資料だが、大きな方向性としては「AIの活用は学校教育では禁止」ではなく、「慎重を期したうえで学校教育での活用を目指す」ということだ。実際どのような活用が考えられるのか。文科省のガイドライン作成に際し、有識者としてヒアリングに協力した京都府公立小学校教諭 坂本良晶氏が解説する。

長らく続く「学校の働き方問題」がAIで変わる?

最近、メディアを明るくにぎわせているAI。

近年、メデイアに暗い影を落としている教員の働き方問題。

この2つを組み合わせることで、教育シーンが一変するのではないか。そう感じています。

ChatGPTをはじめとする生成AIは、すでにビジネスフィールドでその価値を証明しつつあります。そして、これらのAI技術が複数組み合わされ、そして既存のソフトへと組み込まれることが急速に進んでいます。

例えば、MicrosoftのCopilotがその一例です。CopilotはWord、Excel、PowerPointといった主要なソフトウェアにAIを組み込むことにより、誤字の自動修正や文章の自動生成はもちろんのこと、スライドやグラフなどもテキストによる指示で生成できるようになることが予想されます。

そうなると、これまでの数倍、数十倍短い時間で仕事を終わらせるようなことも起こりうるでしょう。こういったAIが、長らく続く学校の働き方問題の将来を明るく照らしてくれるソリューションになるかもしれません。

AIで校務をアップデートする

AIの能力を活用することで、これまで学校現場において手作業で行っていた多くのタスクを自動化し、時間と労力を節約できるようになります。

坂本良晶(さかもと・よしあき)
京都府公立小学校教諭
Teacher Canvassador(Canva認定教育アンバサダー)、Microsoft認定教育イノベーター
1983年生まれ。大学卒業後、大手回転ずしチェーン「くら寿司」に勤務し、店長として全国売り上げ1位を記録。教員を目指し退職後、通信制大学で教員免許を取得。「教育の生産性を上げ、子どもも教師もハッピーに。」を合言葉に日々発信するTwitter「さる@小学校教師」のフォロワーは4万人超。2023年5月Canvaから認定を受けTeacher Canvassadorに就任。著書に『生産性が爆上がり!さる先生の「全部ギガやろう!」』『さる先生の「全部やろうはバカやろう」』(ともに学陽書房)などがある
(写真:坂本氏提供)

具体的な例として、アンケートの結果を集め、整理、分析するという作業が挙げられます。Microsoft Forms(以下、Forms)などを使うと選択項目は自動で集計されグラフ化されるといった機能があります。今までは、自由記述形式の回答を一つずつ読み、分類し、整理し、まとめるということを、手作業で行っていました。

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