「初のデフォルトも」崖っぷちの米債務上限問題 ねじれ議会の政争の具、Xデー前から波乱必至
アメリカがデフォルト(債務不履行)に陥る危機が迫る。毎度のことだが今回、特に危険な理由とは。最悪の場合なにが起こるのか。今後の展開の焦点は。
アメリカは政府の債務上限引き上げ期限となる「Xデー」を早ければ6月1日に迎え、デフォルト(債務不履行)に陥るリスクが迫っている。
まだ数週間残されているものの、戦没将兵追悼記念日(5月29日)に伴う休会の関係で議会の稼働日は残り数日。ワシントンの関係者の間では不安感が強まっている。株式市場への影響はまだ限定的だが、債券市場では徐々に影響が出始めている。
アメリカ特有の「政争の具」
米財務省によると1960年以降、アメリカ議会は78回、債務上限問題に対処し、デフォルトを回避してきた。引き続き、議会はぎりぎりのタイミングでデフォルトを回避できるとの見方が支配的だ。
だが今回に限っては、アメリカが史上初めてデフォルトに陥るリスクがこれまで以上に高まっている。
2023年1月、アメリカの政府債務は法定上限額である約31.4兆ドルを突破。その後、財務省は政府内で資金をやりくりし対処する特別措置を導入し、デフォルトを回避している。しかし、間もなくその資金も底をつき、上記の通り「Xデー」を迎える見通しだ。
なぜアメリカでは債務上限が繰り返し問題となるのか。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
無料会員登録はこちら
ログインはこちら