イーサはビットコインに次ぐ時価総額2位の暗号資産だ。この暗号資産をガソリンのような燃料として稼働するサイバー空間上のシステムが、イーサリアムである。発明者はヴィタリック・ブテリン。本書の著者だ。
ヴィタリックは1994年にロシアに生まれ、幼少のとき両親とカナダに移住、大学を中退してイーサリアムのプロジェクトを創始した。暗号資産の世界で強い影響力をもつカリスマだが、物静かな痩躯(そうく)の若者である。
ヴィタリックは父の影響で、ビットコインに黎明期から関心を持つようになった。2011年には「ビットコインについて書くから、誰かビットコインで原稿料をくれないか」とオンラインフォーラムで呼びかけ、『ビットコインマガジン』を創刊した。ビットコインを支えるブロックチェーン技術の可能性に気づいてイーサリアムを構想し、15年にはその最初の版を公開した。
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