94年生まれ、暗号資産界のカリスマが描く未来 『イーサリアム』書評

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『イーサリアム 若き天才が示す暗号資産の真実と未来』ヴィタリック・ブテリン 著
イーサリアム 若き天才が示す暗号資産の真実と未来(ヴィタリック・ブテリン 著、高橋 聡 訳/日経BP/2420円/440ページ)
[著者プロフィル]Vitalik Buterin/ロシア系カナダ人のプログラマーであり、2011年に『ビットコインマガジン』を共同創刊した著述家でもある。14年にイーサリアムを開発。21年には、『タイム』誌が選ぶ「世界で最も影響力のある100人」に選ばれている。

イーサはビットコインに次ぐ時価総額2位の暗号資産だ。この暗号資産をガソリンのような燃料として稼働するサイバー空間上のシステムが、イーサリアムである。発明者はヴィタリック・ブテリン。本書の著者だ。

ヴィタリックは1994年にロシアに生まれ、幼少のとき両親とカナダに移住、大学を中退してイーサリアムのプロジェクトを創始した。暗号資産の世界で強い影響力をもつカリスマだが、物静かな痩躯(そうく)の若者である。

ヴィタリックは父の影響で、ビットコインに黎明期から関心を持つようになった。2011年には「ビットコインについて書くから、誰かビットコインで原稿料をくれないか」とオンラインフォーラムで呼びかけ、『ビットコインマガジン』を創刊した。ビットコインを支えるブロックチェーン技術の可能性に気づいてイーサリアムを構想し、15年にはその最初の版を公開した。

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