生徒指導提要とは?目的と改訂の背景、ICTとの関連性について説明

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平成22年度版と令和4年度版の目次を見比べてみると、内容の違いがよくわかります。

【平成22年度版目次】
第1章 生徒指導の意義と原理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
第2章 教育課程と生徒指導 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
第3章 児童生徒の心理と児童生徒理解 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42
第4章 学校における生徒指導体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・81
第5章 教育相談 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・98
第6章 生徒指導の進め方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・135
第7章 生徒指導に関する法制度等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・204
第8章 学校と家庭・地域・関係機関との連携 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・221~240
【令和4年度版目次】
第1章 生徒指導の基礎 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
第2章 生徒指導と教育課程 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39
第3章 チーム学校による生徒指導体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・68
第4章 いじめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・120
第5章 暴力行為 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・141
第6章 少年非行 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・153
第7章 児童虐待 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・171
第8章 自殺 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・189
第9章 中途退学 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・209
第10章 不登校 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・221
第11章 インターネット・携帯電話に関わる問題 ・・・・・・・・・・・・・・・・240
第12章 性に関する課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・255
第13章 多様な背景を持つ児童生徒への生徒指導 ・・・・・・・・・・・・・・・・268~289

全体的なボリュームに大きな差はありませんが、「いじめ」「児童虐待」「多様な背景を持つ児童生徒への生徒指導」など現代の具体的な課題が取り上げられていることがわかります。

さらに、生徒指導提要そのものがデジタル利用できるように、ICTの活用についても指針を示しているという特徴もあります。

生徒指導提要におけるICTの活用

改訂版の第1章「生徒指導の基礎〉第1章5項2には「ICTの活用として令和の日本型学校教育の実現に向けては、GIGAスクール構想を踏まえ、今後ICT を活用した生徒指導を推進することが大切です」と示されています。

ICTを活用することで、以下のような教育効果が期待されています。

(1) データを用いた生徒指導と学習指導との関連づけ
(2) 悩みや不安を抱える児童生徒の早期発見・対応
(3) 不登校児童生徒らへの支援

また、「校務系データ(出欠情報、健康診断情報、保健室利用情報、テスト結果、成績情報等)」「学習系データ(学習記録データ、児童生徒アンケートデータ等)」などを組み合わせることで、客観的なデータを用いて一人ひとりの児童生徒や学級・ホームルームの状況を分析・検討することも期待されています。

参照:文部科学省「生徒指導提要令和4年12月 第1章5項2

データを用いた生徒指導と学習指導との関連づけ

ICTを活用することで、学習指導と生徒指導の相互作用をデータから分析・検討することが求められています。

多くの教職員が経験で感じているように、学習指導と生徒指導は密接な関係にあります。児童生徒の孤独感や閉塞感の背景には「勉強がわからない、授業がつまらない」など、学習上のつまずきや悩みがある場合が少なくありません。

わかりやすい授業、誰にでも出番のある全員参加の授業が、児童生徒の孤独感や閉塞感の解消にもつながり、ひいては自己肯定感や自己有用感を高めるとされています。

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