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ウクライナ戦終結に必要な民主主義陣営の「知恵」 イギリス政界の重鎮に聞く、新国際秩序の行方

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日本が議長を務めるG7広島サミット(2023年5月19~21日)にも強い期待を示した(写真・梅谷秀司)
イギリスの外務大臣、保守党党首などを歴任したウィリアム・ヘイグ卿が来日。ウクライナへの戦闘機供与からAIを含むテクノロジーのあり方まで、幅広く語った(英語版はこちら)。

 

――3月中旬に、中国の習近平国家主席はロシアのウラジーミル・プーチン大統領を訪問し、会談を行いました。中国は新しい国際秩序の形成を目指しているようにみえますが、それに対して民主主義陣営はどう対応すべきでしょうか。

まず習近平のモスクワ訪問は、アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官が述べたように、ロシアが中国との関係で「ジュニアパートナー」になりつつあること、つまりロシアが中国より国として格下であることを示したと思う。ロシアはウクライナ侵攻という大きな過ちの結果、弱い国になりつつある。

ロシアは真に中国を必要としており、中国に代わって頼れる国もない。プーチンは今、中国に依存せざるをえない立場に置かれており、ロシアはウランや将来のガスパイプライン、軍事・宇宙技術などを中国に供給することになるだろう。中国としては、ロシアのウクライナに対する仲裁役として振る舞うアピールの場となったが、すでに時機を逸している。

戦争の早期終結はウクライナ支援しかない

1年前であれば、戦争の交渉による解決を見出すことは可能だったが、ウクライナではすでに非常に多くの戦争犯罪が行われている。子どもたちは姿を消し、都市は廃墟と化した。何千人、何十万人もの人々が殺されたことを踏まえると、ロシアが侵略した領土から撤退することなく、交渉による解決策を見出すのはもう遅い。

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