東京学芸大学附属国際中等教育学校の「世界で生きる力」を育む教育 生徒の多様性を生かした教育とは

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
東京の練馬区に位置する東京学芸大学附属国際中等教育学校。この学校には、グローバル化が進む現代の教育に対応し、世界で活躍できる生徒を育む環境がある。この記事では、その主に3つの要因を紹介していく。

帰国子女と内部生がお互いを刺激し合える環境

本校は日本で数少ないIB(国際バカロレア)認定校なので、英語に重視することを始めとする、グローバルな教育を受けることができる。また、教育理念が「世界で生きる」生徒を育むことである本校では、実際に世界で活躍できる生徒を育成するため準備が、グローバル教育を通して整えられている。

本校は帰国子女を多く受け入れていて、小学校から進級してきた内部生と帰国生が一緒に学校生活を送ることができる環境となっている。本校のホームページに在校生の滞在国の一覧や滞在期間の情報が載っている。自分の所属している第4学年(高校1年生)を例に見てみると、126人の生徒が在籍している中、海外に1年以上滞在している生徒数は69人と、全体の半数以上だ。

この学校の生徒として感じることは、内部生と帰国生がお互いに刺激し合っているということだ。内部生は帰国生を見習い英語に励み、帰国生は内部生も見習って国語の勉強に励んでいることが多い。帰国生と内部生はどちらも様々な背景や経験を持っていて、お互いの良い所をお互いに見習っていると思う。これは、それぞれに不足している力や能力を補い、自分を高める上でとても良好な関係であると言える。これからも引き続き帰国生を受け入れていってほしい。

実用性とアウトプットを重視した学習

本校の学習は、日本で定着している一般的な「知識詰め込み型」とは異なり、近年重視されている「アウトプット重視の勉強」にとても力を入れている。

英語の授業を例にする。多くの内部生は文法や単語などを主に学んでいるが、既存の知識を生かしてプレゼンテーションの発表などを行う、アウトプット学習も重視している。そして帰国生の多くは、よりハイレベルな模擬国連などを行っている。実際の国連のようにそれぞれの国としての意見を発表するのは難しいがとてもやりがいがあり、楽しい。このような授業は英語に限ったことではなく、他の教科でも見られる。

この学校の生徒としては、ディスカッションやプレゼンテーションなどを行うのはただ知識を詰め込むよりもとても楽しく、既存の情報から新たなアイデアや意見を出すことができるので将来とても役に立つと思っている。特に、様々な背景を持った生徒たちが集まる本校では、多様な意見や考えを持った人たちで話し合いが可能なため、多角的な視点から物事を捉える力が身につく。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事