自動車向け部材で大苦戦、帝人の「深刻な危機」 5年連続の営業減益へ、事業リストラも視野に
大手化学メーカーの帝人が、「5年連続の営業減益」に沈みそうだ。収益性の改善計画を打ち出したものの、今後の成長に向けた種がない。先行きはかなり厳しそうだ。
「深刻な危機が来ていると思っている」2月8日の決算説明会で、内川哲茂社長は、そう吐露した。
ここ最近の帝人の業績は、文字通り右肩下がり。同日に下方修正を出した2023年3月期の業績予想は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比77.4%減の100億円で、5年連続の営業減益となる見通しだ。この営業利益は、過去50年で最も低い数字という。
大きく足を引っ張っているのは、自動車向けを柱とする、マテリアル事業の低迷だ。
2022年3月期、このセグメントは57億円の営業赤字だったが、2023年3月期は大幅な改善を目論んでいた。ところが状況はさらに悪化し、第3四半期(4~12月)までの営業赤字は120億円に膨らむ。通期では230億円の赤字になりそうだという。
事業環境が想定外に大幅悪化
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