買収までして生鮮に走るドラッグストアの本気度 店舗に加えノウハウや人材も獲得して成長狙う
大手ドラッグストアが店舗に生鮮食品を相次いで導入している。スーパーを買収までして生鮮の展開に本腰を入れる背景に迫った。
1月下旬の日曜日、神奈川県川崎市の「ゆりストア星ヶ丘店」では、開店直後からひっきりなしに青果や精肉コーナーに顧客が訪れ、商品を次々と買い物かごの中に入れていた。だが、かごの中身をよく見ると食品だけでなく、風邪薬や栄養ドリンク、そして化粧品に至るまでさまざまな商品であふれていた。
じつはこの店、最近まで「ゆりストア」という名の食品スーパーだった。しかし、2022年4月からドラッグストアを併設した新たな店舗に生まれ変わったのだ。というのも、横浜市に本社を構え、神奈川県を中心に約700店のドラッグストアを展開しているクリエイトSDホールディングスが、2020年に同じく神奈川県で食品スーパーを展開する百合ヶ丘産業を子会社化したからだ。
高品質な生鮮から調剤まで1店舗で完結
現在、多くのドラッグストアが生鮮食品を導入しているものの、品ぞろえが少なかったり、消費期限の近い青果が放置されていたりと、「とりあえず、取り組んでいる程度」(ドラッグストア幹部)の店舗が少なくない。
しかしこの店の生鮮食品はいずれも新鮮で高品質。おまけに総菜や弁当、そしてOTC医薬品(処方箋がなくても購入できる薬品)から調剤に至るまで1つの店舗で購入できるという利便性が評価され、売り上げは3割程度向上したという。
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