原発賠償指針の「改定」で見過ごされた事故被害 指針の改定は2013年12月以来9年ぶりとなった

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指針を見直す委員による意見聴取は不十分で、被害の過小評価も。

横断幕や旗を手にする集団訴訟の原告と弁護団
最高裁判所への入廷行進を行う集団訴訟の原告と弁護団(写真:記者撮影)

福島の原発事故から12年近く経つ中、賠償基準の見直しが決まった。

政府の原子力損害賠償紛争審査会(原賠審)は2022年12月20日、東京電力ホールディングス・福島第一原子力発電所事故に関する賠償基準を定めた「中間指針」を改定。「着の身着のままで避難を強いられてきたことに対する慰謝料」などが新たに認められた。

指針改定を踏まえ、東電は原発事故時に福島県に居住していた住民約200万人のうち約148万人を対象に新たに賠償を実施する見通し。だが、「見直しは遅すぎた」「被害に見合った賠償になっていない」といった批判も出ている。

9年ぶりの指針改定

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