三井住友銀、初の「三井銀出身」頭取は異例ずくめ 海外勤務や「トヨタ転籍」評価、海外伸ばせるか

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三井住友銀行は次期頭取に福留朗裕専務執行役員を昇格させる人事を発表した。初の三井銀行出身頭取が決まった背景は何か。

三井住友銀行の高島誠頭取と福留朗裕専務執行役員
高島誠頭取(右)からバトンを託された福留朗裕専務執行役員(左)(撮影:梅谷秀司)

「次期頭取を担うのに十分な人物だ。自信を持って指名委員会に推挙することができた」。三井住友銀行の高島誠頭取は記者会見で満足げな表情を見せた。

2022年12月15日に同行が発表した次期頭取人事は異例ずくめだ。2023年4月1日付で専務執行役員の福留朗裕氏(59)を頭取に昇格させる。高島頭取は代表権のない会長になる。銀行および持ち株会社である三井住友フィナンシャルグループ(FG)の両会長を兼務する國部毅氏(68)は、FG会長の専任となる。

「海外通」を評価

推薦の理由として高島氏が挙げたのは、豊富な海外勤務歴とトヨタへの転籍経験だ。

福留氏は三井住友銀きっての国際派だ。1985年に旧三井銀行入行後、支店勤務を経て現在の市場営業部門に異動。ロンドン、香港、上海、ニューヨークの各拠点に駐在し、2010年にはカナダの現地法人社長に就任した。海外勤務は通算約16年にも及ぶ。「(三井住友銀が)グローバルに成長することが大きな戦略だ。(指名委員会では)海外勤務の長さが評価された」(高島氏)。

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