SMBC日興、相場操縦事件を招いた「住友」の呪縛 社長は半年無報酬、退任を事前予告の異例処分

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再発防止策を金融庁に提出し、役員処分を発表。しかし問題の根底にある営業偏重の組織風土が変わらない限り、再発の危険性をはらむ。

11月4日の会見には、SMBC日興証券の近藤社長(左)と親会社である三井住友フィナンシャルグループの太田社長(右)がそろって出席した(撮影:梅谷秀司)

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「今後、日興の再建に道筋をつけたところで私自身は身を退いてけじめをつけたい」。SMBC日興証券の近藤雄一郎社長は、そう述べて自身への異例の処分を明らかにした。

11月4日、記者会見を開いた三井住友フィナンシャルグループ(FG)と子会社のSMBC日興証券は、一連の相場操縦事案やファイアーウォール規制違反について処分を発表した。SMBC日興証券の近藤社長は半年間無報酬とし、再建に道筋をつけた段階で退任する。事前に社長退任を予告するという、異例の処分だ。

SMBC日興では2代前の社長までさかのぼって報酬の返納を求めたほか、三井住友FGについては國部毅会長以下、太田純社長などの役員報酬を減額する。ファイアーウォール違反をめぐっては、三井住友銀行の高島誠頭取以下、4人の役員が減俸処分となった。

株価下落を防ぐために買い支えが常態化

人事処分を含めた「経営責任の明確化」は、10月7日に金融庁が発表した行政処分で求められていたことの1つだ。金融庁は相場操縦や銀証ファイアーウォール規制違反について、原因分析と再発防止策をまとめて11月7日までに報告するよう求めていた。SMBC日興は11月4日に再発防止策を提出し、今後も四半期ごとに進捗を金融庁に報告する必要がある。

相場操縦とされる事案は、ブロックオファー(BO)と呼ばれる取引の中で起きた。今回の問題が起きた背景には、強烈な「住友イズム」の弊害も見えてくる。

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