名古屋の要衝金山駅、なぜ「総合駅」と呼ばれるか? JR、名鉄、地下鉄が乗り入れる市内の一大拠点
1989年7月9日に「金山総合駅」として一新された後は、東海道線の速達タイプの列車も停車するようになり、2004年には名古屋市営地下鉄4・2号線(名城線)が環状運転を開始するなど、愛知県内でも有数のターミナル駅へと成長した。
金山駅が総合駅となった理由は、駅周辺は名古屋市域の地理的中心ということ。さらに名古屋城下町と熱田宿場町・門前町の境界部分で、東海道と城下を連絡する宮街道と佐屋路の追分であり、昔から交通の拠点(ジャンクション)として存在していた。いわゆる名古屋経済の重要な地域であり、副都心としての性格もあったのだ。また中央線が敷設される際に、名古屋市域を大きく迂回して名古屋駅に向かうために、東海道線や名鉄線と並走し始める最初の駅となるため、そこに地下鉄4号線(名城線)が開業すれば、乗り換え需要が高いと判断したからだ。
最近の金山総合駅の話題では、2021年3月1日から東海道線の3番線側でJR東海の在来線としては初めてのホームドアが設置された。これは快速や普通列車に使用される311系・313系の4両・6両・8両編成の異なるドア位置に対応可能な可動柵である。2021年12月1日からは4番線側でも可動柵の稼働が開始されており、同社にとっても重要な駅の1つとして認識されているようだ。なお、金山の他に大曽根、上小田井、八田の3つの駅も総合駅構想はあるが、金山総合駅ほど規模は大きくない。
西銀座駅と銀座総合駅
過去の文献を見ると、「総合駅」という名称が東京都内にも存在した。場所は東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線が乗り入れる銀座駅。これがもう1つの気になる駅だ。
銀座駅は東京地下鉄道(現在の東京メトロ銀座線)が、京橋―新橋間の営業を開始した1934年3月3日に開業した。渋谷方面からは東京高速鉄道(当時の東急系企業)が、1939年に渋谷駅から新橋駅まで開業するため、東京地下鉄道にとっては最後の延伸区間となる。
銀座という街は関東大震災以降から、流行最先端の街でたくさんの人々が行き交っていた。歌舞伎座や東京宝塚劇場などの娯楽施設もあり、当時から賑わいを見せていた。もちろん銀座駅も混雑を予想して設計されており、幅の広い島式ホームを設置し、開業の日を迎えている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら