教育分野で活躍するスクールソーシャルワーカー(SSW)とは?スクールカウンセラーとは何が違うのか解説

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などとなっています。

スクールソーシャルワーカーは全国的に増加しており、2020年には2,859人が配置され、対応学校数は全国で18,286校という実績でした。

小中学校の不登校児童が年々増加傾向にあることから全中学校区(約10,000区)に対する配置を目指して活用事業が推進されており、小中学校におけるソーシャルスクールワーカーは今後も増えていくことが予想されます。

ソーシャルスクールワーカーの勤務形態としては、校区(教育委員会)に配置され年間で630時間を校区内の学校に振り分けて対応することが現状では多いようです。

また特に必要な学校に対しては、重点配置としてソーシャルスクールワーカーの勤務時間を年間120時間加算の申請をすることができますが、その中で実際何校対応できるかは各自治体の実情に応じて決定されるようです。この場合特定の小中学校に直接配置される可能性もあるでしょう。

引用:文部科学省「スクールソーシャルワーカー活用事業に関するQ&A

スクールソーシャルワーカーの課題

日本スクールソーシャルワーク協会によれば、スクールソーシャルワーカーの基本姿勢として次の理念が掲げられています。

・子どもの尊厳の尊重…一人ひとりの子どもを個人として尊重します
・子どもの最善の利益…子どもの利益を第一に考えます
・パートナーシップ…子どもと一緒に問題解決に取り組みます
・ストレングス視点…問題よりも可能性に目を向けます
・エコロジカル視点…環境との相互影響に焦点を当てます
・自己決定…物事を自分で決めるようにサポートします
・連携調整…関係機関や支援者と連携します
・代弁…子どもの気持ちや希望を関係者に伝えます
・秘密保持…不用意に子どもの情報を口外しません

引用:特定非営利法人日本ソーシャルワーク協会「SSWとは

このようにソーシャルスクールワーカーは子どもたちの気持ちを汲み取りつつ、自身の持つ専門的知識を活かして学校や家庭内でのさまざまな問題を解決に導いたり、その手助けをしたりしていく必要があります。今後、全中学校区(約10,000区)への配置を目指している状況においてはスクールソーシャルワーカーの人材確保、また資質の向上が必要になっていくでしょう。

スクールソーシャルワーカーとスクールカウンセラーの違い

スクールソーシャルワーカーに似た言葉で、「スクールカウンセラー」というものがあります。スクールカウンセラーは基本的には教員と話をしたり、子どもに寄り添ったりする点などはスクールソーシャルワーカーと同じですが、子どもへのサポートの仕方に違いがあります。

まず、スクールカウンセラーの主な仕事はカウンセリングなどです。そのため子どもの心のケアをしたり、話を聞いたりして本音を聞き出していきます。それに対し、スクールソーシャルワーカーは子どもがよりよい生活をするために環境を整えていく仕事です。そのため、学校や関係機関と幅広くコミュニケーションを取りながら、子どもたちの周りで起きている問題の解決や、また問題が起きないよう未然に防ぐ手助けができる専門的な知識や問題解決能力を有している必要のある仕事と言えるでしょう。

東洋経済education × ICT編集部

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小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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