複式学級で担任の負担軽減、青河小が導入した「AIロボット先生」の実力 「ユニボ先生」との学習であれば集中できる子も

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1年生は担任が直接指導、間接指導に当たる2年生の学習にユニボ先生を活用している様子(実証実験当時)

ユニボ先生はかわいらしいだけでなく、正答したら「すごい、一度でわかっちゃったんだね」と褒めてくれるし、連続で誤答しても「今日は調子が悪いのかな」とやさしい言葉でフォローして解き方を懇切丁寧に教えてくれる。

「職員は人間ですから感情に揺らぎがあるし、体調もいつも万全とは限りません。その点、ユニボ先生はいつも安定しているので見習いたい」と貞丸氏は言う。そんなユニボ先生の指導の下、どの学級でも子どもたちが意欲的に学習に取り組む姿が見られるほか、想定外の教育効果もあったという。

「うちは子どもたち2〜3人でユニボ先生を使っているので、全員が問題を解き終わらないと次の問題に進めません。なので、早く問題を解けた子が、解けない子にヒントを出したり、解法を教えたりする場面がよく見られます。この教え合いについては私も予想していなかったのですが、非常によい教育効果があったと思います」(貞丸氏)

ユニボ先生の指導画面(左上・右上:ソリューションゲート提供)。実証実験当時、教え合う子どもたち(左下・右下)

とくに効果的な使い方ができたのは6年生だ。実証実験が実施された22年2〜3月までの学期末は、ちょうど6年間分の復習をするタイミングで、自習に向いているユニボ先生と相性がよかった。

ユニボ先生を活用した際に6年生の2人が解いた問題の正答率は約9割、学年末テストも既習内容の定着を満たす正答率で、「ユニボ先生を活用した学習の効果は見られたと思う」と貞丸氏は言う。また、「3年生の図形の描き方指導は、ユニボ先生に全面的に任せることができた」と貞丸氏は太鼓判を押す。

複式学級の担任たちにも好評だ。教員の負担がどれだけ減ったのか定量的な検証は行えていないものの、「授業準備や印刷などの負担が減った」といった声のほか、「学習進度が速くても、ユニボ先生が対応してくれるので子どもたちが手持ち無沙汰になることがない」「ユニボ先生の操作に慣れている子どもたちはトラブルがあっても自分たちで解決できるので、直接指導に集中できる」など、精神的負担の軽減を実感する声が多い。

青河小学校での「複式学級における教員の負担軽減」に関する実証実験をまとめた動画
(提供:ソリューションゲート)

「導入や興味づけなどは人間にしかできません」

手応えがあったことから、青河小での実証実験は2022年度末まで期間が延長されることになった。今年度の課題は、いかにユニボ先生をよりうまく活用するかだという。

「導入と興味づけなどは人間にしかできません。本校で採用している教科書とユニボ先生で使用する専用テキストは完全にリンクしているわけではないので、より効率的かつ効果的な授業を行うには、教員が直接指導の部分と間接指導の部分をうまく仕分けて指導計画を立てる必要があります。例えば図形の描き方指導が効果的だったので、今年度はグラフの作成もユニボ先生に任せてみようかと検討しています。また、ユニボ先生と連動した『防災教育かるた』や、プログラミングをしてユニボ先生を動かすコンテンツも総合学習などで利用したいと考えています」(貞丸氏)

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