北朝鮮はウクライナ戦争を、自国の利益のために最大限利用している。7月13日、北朝鮮が「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を承認すると発表した。
両国の独立の承認書は、駐ロシア北朝鮮大使・申紅哲(シンホンチョル)氏から駐ロシア・ドネツク人民共和国大使のオリガ・マケエワ氏に直接手渡された。この文書では、「外交関係樹立のための今後の動きについて」合意したことが示されている。また、申氏とルガンスク人民共和国大使のロジオン・ミロシニク氏の会談も近々行われる予定である。
北朝鮮の金星(キムソン)国連大使は、北朝鮮は「ドネツクとルガンスクに関する立場を全面的に支持する」用意があり、ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の国連代表問題に関して追加の措置を講じるとの考えを示した。(7月16日「スプートニク」日本語版)
ドンバスに利を見出した北朝鮮
ロシアが北朝鮮に両「人民共和国」の独立を承認するようにと働きかけた形跡は認められない。北朝鮮は自らの計算で、両「人民共和国」と外交関係を樹立することが得策であると考えたのだ。
北朝鮮はドンバス(ウクライナのルハンスク州とドネツク州)の戦局をよく見ている。ロシア軍はすでにルハンスク州を制圧したが、それに続いてドネツク州が陥落するのも時間の問題とみている。両「人民共和国」再建のために北朝鮮は建設労働者を派遣し、外貨を得ることが可能になる。外貨といってもロシアルーブルだが、ルーブルがあれば北朝鮮が必要とする食料、石油、医薬品をロシアから購入することができる。
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