新型コロナで打撃を被った業種は数多いが、フィットネス業界もその1つだ。特に大きな施設を構えてスタジオやジム、プールを併設した総合型のスポーツクラブは、深刻な会員数減少に見舞われ、決算が軒並み赤字に陥った。
はたして、状況は好転したのか。総合スポーツクラブの大手、ルネサンスの岡本利治社長に業界の現状と今後の生き残り策を聞いた。
コロナ下の2年で会員が3割以上減少
――業界はコロナで甚大な影響を被りました。
感染が広がり始めた2020年の4月から2カ月間、スポーツクラブは営業休止を余儀なくされた。休館中は会費を頂戴できないし、営業再開後も退会・休会者が相次いだ。2020年度の売上高は3割以上落ち込んで、46億円の営業赤字に陥った。
業界団体の調査では、コロナ前の2019年のフィットネス市場規模が550万人(会員数)だったのに対し、2020年は425万人と1年間で23%落ち込んだ。当社も25万人いたフィットネス部門の在籍会員が、2020年度末には18.4万人に減少。その後も、春から秋の入会シーズンに感染が再拡大し、値上げの影響もあって、2021年度末には16.1万人にまで減ってしまった。
――特に退会が目立ったのはどういった人たちですか。
顕著だったのが20~50代の女性。人が集まるところを嫌って退会された方も当然いらっしゃったが、ヨガやエアロビクスなど、女性に人気のスタジオレッスンで大幅な人数制限をした影響が予想以上に大きかった。希望するレッスンになかなか参加できないことを理由に退会した方が非常にたくさんいた。
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