中国では半導体の国策ファンドのトップや、関係者などが汚職容疑で次々と当局に連行され、業界に衝撃が広がっている。
アメリカの経済制裁の対象である半導体の国産化は中国の最重要政策のひとつ。中国政府はそのために惜しみなく巨額のカネを投じてきたが、技術面での出遅れを解消するまでの道筋はいまも見えない。
そうした中、半導体強化政策の中核である国策巨大ファンドの幹部たちが次々と当局に連行され、取り調べを受けている。何が背景にあったのか。中国の調査報道メディア「財新」が徹底取材した。
中国の半導体業界に、反腐敗の嵐が吹き荒れている。
7月末に国家集成電路産業投資基金(CICF。ほかの国策ファンドとは別格で『国家大基金』と呼ばれている)の総経理(社長に相当)である丁文武氏が、重大な規律違反と法規違反の疑いで、中国共産党中央規律検査委員会(訳注:共産党の汚職取り締まり機関。以下、中央規律検査委員会)などから取り調べを受けていることが明らかになった。
この一件は、同月30日10時30分(北京時間)に、中央規律検査委員会と国家監察委員会のウェブサイト上で公表された。
事情を知る複数の関係者によると、数日前から丁氏の自宅に捜査が入り、連絡も取れなくなったとの情報もすでに広まっていた。
半導体のトップ企業を支えてきた
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