国が、本気出す「日本の科学技術立国、再び」その教育秘策とは、いったい? 小中学生・育成プログラム「大学研究室配属」も
「各実施機関によって選考基準はさまざまなので、幅広く見ていただく中で、自分に興味のあるテーマを掲げている教育機関を見つけて、チャレンジしてもらいたいですね」
年々、進化する企画ラインナップ
2022年度のジュニアドクター育成塾については、17件の応募があり、10件が採択された。5年が1つの区切りとなるので、初年度に支援した10件が終了したことによって、新旧合わせ現在30件のテーマが動いていることになる。
新たに採択されたのは、筑波大学の「つくばSKIPアカデミー ~Science Kids Inspiration Program〜」、東京大学の「産官学連携によるSTEAM学習を通じた未来の科学者育成」、山梨大学の「やまなしジュニアドクター育成自然塾 ~南アルプス・ユネスコエコパークでの活動が育む未来人材~」ほか、神戸大学、米子工業高等専門学校、島根大学、愛媛大学、九州オープンユニバーシティ、長崎大学、琉球大学など10機関が取り組む。企画テーマや応募・選考方法の詳細については各機関のWebサイトで確認できる。
「各機関は拠点を置く自治体の要請もあり、次世代人材の育成に非常に熱心です。今年度の特徴は、政策において重視されている『探究力の育成に向けたSTEAM学習等の推進』を踏まえ、A=Artの取り組みに注力している点です。科学技術にアートを加えることで、子どもたちの感性の部分も含めて能力の伸長を図っていくことを期待しているのです」
将来のイノベーション人材を育成するために小中学生向けに、17年から始まったジュニアドクター塾。まだ5年しか経過していないため、現在目に見える成果が出ているわけではない。その成果が発現するのは20~30年後だろう。しかしだからこそ、長期的な視点を持って、事業を継続していくことが重要になる。
「子どもたちには自分の好きなことに対して、興味を持ち続け、意欲や熱意を持ってチャレンジしてほしいですね。日本にさまざまな社会課題がある中で、科学技術を使ってイノベーションを起こし、新たな価値を生み出せるような役割を将来担ってもらえるよう期待しています」
(文:國貞文隆、注記のない写真:Fast&Slow / PIXTA)
東洋経済education × ICT編集部
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