窮地の車部品マレリ、「借金4割カット」の実現度 再建を主導するKKRには金融機関の不信感も
巨額の債権放棄は金融機関に受け入れられるのか。再建プランは5月末の債権者集会で示される予定だ。
経営に行き詰った自動車部品大手・マレリホールディングス(旧カルソニックカンセイ)の再建プランが明らかになった。
コロナ禍による業績悪化を背景にマレリは3月1日、私的整理の1つである事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)を申請。負債総額は1兆円を超え、破綻規模は日本の製造業で過去最大だ。
しかしその後、支援企業(スポンサー)選びは難航。複数回の債権者集会を経て、マレリは5月16日、月内に具体的なスポンサー候補と再建計画案を示すとしていた。
今回明らかになった再建プランは、親会社であるアメリカの投資ファンド、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)主導によるもの。KKRが約830億円の増資を引き受ける一方、金融機関に約4500億円(債権放棄と債務の株式化)の金融支援を求める内容だ。マレリの負債は1兆円を超すので、再建プランで求める借金のカット率は約4割になる。これが5月31日に予定される債権者集会で諮られる。
この金融支援で「決まり」ではない
マレリ側が各金融機関に対して説明に回っているもようだが、「この金融支援で決定というわけではない。(5月31日の債権者集会で)正式に示されてから各社で議論する」(取引金融機関の関係者)。現時点で、マレリに融資する金融機関の一覧と、再建プランで依頼する金融支援額は以下の表の通りだ。
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