ソフトバンク「20兆円ファンド」急ブレーキの難局 最終赤字は過去最大の1兆7000億円に転落
5兆円の黒字から1.7兆円の大赤字――。
日本企業として過去最大となる純利益を計上した2020年度から一転、ソフトバンクグループ(SBG)が5月12日に発表した2021年度(2022年3月期)決算は、同社として過去最大の最終赤字を計上した。
最大の要因は、合計で1546億ドル、直近のレートでは約20兆円を運用する世界最大のベンチャーキャピタル(VC)である「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の損失だ。2021年度のビジョンファンドの投資損益は約3.7兆円の赤字(前期は約6.3兆円の黒字)と、急激に悪化した。
「新型コロナウイルスやロシアのウクライナ侵攻で世界は混沌としている。株式市場も大きく影響を受けている。今、われわれが取るべき行動は、徹底した守りだ」。SBGの孫正義会長兼社長は、決算発表当日の会見で沈痛な面持ちでそう語った。
1号ファンドだけで3兆円を超える損失
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