混沌のビットフライヤー、ファンド買収の行方 創業者の加納氏に迫られる「全株売却」の決断

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国内最大手の暗号通貨交換所ビットフライヤー。創業者・加納裕三氏の決断次第では、日本の暗号資産業界における歴史の転換点になる。

2021年12月から新たなテレビCMを投入し、2021年度の業績は好調だったビットフライヤー。ただその間、創業者兼筆頭株主の加納氏を除く株主連合は、外部への株式売却の機会をうかがっていた。(写真はビットフライヤーHPより)

暗号資産交換所で国内最大手のbitFlyer(ビットフライヤー)が揺れている。

5月中にも、ビットフライヤーを傘下にする持株会社でビットフライヤーホールディングス(未上場)の約6割に当たる株式をICT業界などの案件に実績のある投資ファンド、ACAグループが買収する。「このゴールデンウィーク中に大筋の合意が得られた」と、事情に詳しい関係者が東洋経済の取材に対して明らかにした。

ビットフライヤーHDの約4割の株式を握る共同創業者の加納裕三氏は、同社株式をまだ持ち続ける見通し。加納氏の持ち分を除く全株式がACAグループに渡り、加納氏とACAグループが4対6で株を分け合う新たな資本構成となる。ビットフライヤーHDの評価額は最大450億円と一部で報じられていたが、「その後ACAグループ以外の入札も加わり、それよりも高くなった」(前出関係者)もようだ。

転機は4年前の「退場勧告」

2014年1月創業のビットフライヤーは、暗号資産取引の預かり資産や会員数でコインチェックと国内で双璧をなす。2022年3月時点の預かり資産は5803億円で、本人確認済みの会員数は推定約170万人。2021年12月期の決算は、ビットコインやイーサリアムなど暗号資産の相場が上昇した恩恵で、営業収益275億円(前期比3.6倍)、営業利益178億円(同11倍)だった。

順調に見える同社が、なぜファンドに買収されるのか。その理由は2018年にさかのぼる。

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