変わる電通、ネット広告で「サイバー超え」へ猛進 2期連続赤字を出した大改革は生きるか
営業利益で2001年の上場来過去最高を更新した電通グループ。早期退職などの構造改革を経て、マス広告代理店からの転換が加速している。
過去最大の赤字計上から1年、国内広告最大手の電通グループが過去最高益をたたき出した。
2月14日に発表した2021年12月期決算では、売上高に当たる収益は1兆0855億円(前期比15.6%増)、営業利益は2001年の上場来過去最高となる2418億円(前期は1406億円の赤字)となった。2020年は海外事業で1400億円超の減損損失、人員削減などに伴う構造改革費用約780億円を計上していたが、2021年はそれらが大幅に縮小した。
営業利益のうち半分を占めるのは、東京本社ビルなど複数の不動産の売却益(1189億円)だ。しかし、コロナ禍で落ち込んだ広告市況が国内外で回復したうえ、東京オリンピック・パラリンピック関連の収入が加わり、本業が上向いたことも大きい。
構造改革の効果が発現
回復が顕著だったのは国内だ。買収などによる増加を除いたオーガニック成長率(売上総利益の前期比増減割合)は17.9%と、地域別でみると最大だった。
牽引したのは国内中核子会社でマスメディアの扱いが多い電通(同18.3%増)と、ネット広告などデジタルマーケティング全般を手がける電通デジタル(同31.2%増)。国内メディア別の売上高では、テレビ広告が通年で13.8%増、インターネットが27.5%増だった。
利益率の改善ぶりにも注目したい。電通グループが経営指標として重視する「オペレーティングマージン」(一過性の損益を除いた調整後営業利益÷売上総利益)は、連結で18.3%と前年から約3.5%改善。売り上げの増加だけでなく、過去2年で断行した構造改革による効果が出ている。
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