先日の経団連会長の発言が引っかかった。「賃金引き上げを個人消費の拡大につなげる好循環がカギであり、そのためには将来不安の払拭が必要である」。何やら恩着せがましく、かつ、政府に責任転嫁するがごとき口吻(こうふん)である。
この国は30年間、給与が上がらず、GDP(国内総生産)も成長しなかった。日本は企業社会であり、キャプテンは経営者だ。であれば、まず問われるべきは、キャプテンたちは何をしてきたのか、だ。
社長たちは反論するだろう。「いや、自分たちはちゃんとやっている。その証拠に、最高益更新企業が続出しているではないか」と。ザックリいえば、GDPは利益と賃金の合計だ。GDPが横ばいで利益が上がるなら、新たな価値の創造ではなく、賃金が削られただけのこと。単純な算数である。
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