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本格的な中国デカップリングは非現実的 「大国にふさわしい振る舞い」を求めていくしかない

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年明けに霞が関の知人と話す機会があり、今国会で上程される経済安全保障関連法案について話題になった。「そう厳しい内容にはできないよね」と言ったら、彼は少し嫌な顔をしながら、無言でうなずいた。

冷戦後、中国を筆頭にグローバルなサプライチェーンができたおかげで世界中の人が安く性能のよい財を買えるようになった。中国をデカップリング(切り離し)すれば、今の豊かさや利便性をかなりの程度放棄することになる。

日米欧を問わず、中国の購買力、生産力、技術開発力の恩恵を被っている。そのことは、コロナ禍で中国製品の輸入が急減した意図せざる「実験」で痛感したはずだ。強硬姿勢を強める米国でさえ、安全保障上絶対に譲れない範囲でしか、中国のデカップリングを実現できないだろう。

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