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大学生活で重みを増すアルバイトの課題 「勤労観」を高める経験にはなるが

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慶応義塾大学経済学部教授 太田聰一(おおた・そういち)1964年京都市生まれ。京都大学経済学部卒業、ロンドン大学大学院修了(Ph.D)。名古屋大学大学院経済学研究科教授を経て2005年から現職。専門は労働経済学。著書に『若年者就業の経済学』、共著に『もの造りの技能─自動車産業の職場で』『労働経済学入門』など。(撮影:梅谷秀司)

大学はもうすぐ学年末となり、在学期間の約半分を新型コロナ禍とともに過ごした学生たちが巣立っていく。彼らの1年上の世代と現在の大学生は、講義やゼミのオンライン化に直面しただけでなく、コロナによる仕送りやアルバイト収入の減少でダメージを受けた。困窮した学生を狙った悪徳商法の登場も報じられた。政府も経済的に影響を受けた学生への10万円給付を昨年末から実施するなどの対応を行ってきた。

幸いなことに、学生が直ちに生活の困難に陥る事態は、懸念されたほどには広がらなかったようだ。考えられる理由の1つとして、学生アルバイトを含めた短時間就業に対して雇用調整助成金を積極的に支給した政府のスタンスを挙げることができる。また、コロナ下で学生自身の旅行費や交際費が減少したために、支出を減らすことができたという側面もあった。

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