中ロ艦隊が津軽海峡を航行し日本列島周辺を一周した。中国の軍事的思惑とは。
10月18日、中国とロシアの艦艇10隻からなる艦隊が津軽海峡を通過した。その直前、中ロ海軍はウラジオストク沖で合同演習を実施していた。両国の艦艇は津軽海峡を出た後、太平洋上を日本列島に沿って航行し、鹿児島沖の大隅海峡を抜け、それぞれの母港に帰投した。中ロ艦隊が日本の周辺を一周したのである。
津軽海峡は狭いところでは幅が約20キロメートルしかない。ここを10隻の戦闘艦艇などが列を成して通ったのだ。その軍事力を日本に見せつけようとしたのは明白だろう。
領海の範囲は陸岸から12カイリ(約22キロメートル)までだが、日本は宗谷、津軽、対馬(東水道、西水道)、大隅の5つの海峡については特定海域として、領海を3カイリ(約5.5キロメートル)に縮小している。そのため津軽海峡には、中央に幅10キロメートルほどの公海が存在する。
中ロ艦隊は公海を航行したのだから法的に問題はない。さらにいえば、津軽海峡全体が日本の領海であったとしても、中ロ艦隊が通峡することに問題はない。軍艦も他国の領海を通過する権限を有するからだ。無害通航権である。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら