「脱炭素」に向け、地方政府には強烈な圧力がかかる。電力不足には構造的な問題がある。
9月から中国各所で電力不足が続いている。江蘇省では米アップルや米テスラに部品を供給する工場が操業を一時的に停止した。日本企業の中にも操業を止めたところがあった。
今回の電力不足は中国国内の生産への影響にとどまらず、供給制約に直面する世界のサプライチェーンへの新たな懸念材料となっている。電力不足の背景として、2つの点で中国の脱炭素の取り組みが影響している。
第1は、政府が掲げた脱炭素関連目標との関係である。
習近平国家主席は、二酸化炭素(CO2)排出量を2030年までに減少させ、60年までにCO2の排出量と吸収量が差し引きゼロになるカーボンニュートラルを実現すると世界に約束している。
第14次5カ年計画(21〜25年)期間中には、GDP単位当たりエネルギー消費を13.5%引き下げ、GDP単位当たりCO2排出を18%引き下げることを目標に設定している。21年単年では、GDP単位当たりエネルギー消費を3%程度低下させる目標だ。
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