「ペットボトル」リサイクル推進に立ちはだかる壁 使用済みボトルの争奪戦過熱で価格高騰も
飲料メーカーは「脱プラ」に対応するため、ペットボトルのリサイクルを加速させている。だが、そこに向けては高いハードルがある。
「追い風というより、まるで突風だ」――。
リサイクル事業を営む協栄産業の古澤栄一社長はペットボトルを取り巻く事業状況のあまりの激変ぶりに、戸惑いも込めてそう漏らす。
近年、海洋プラスチックの問題を受けて、ペットボトルには非常に厳しい目が向けられている。そのため、大手飲料メーカーは国内全体でまだ1割強のペットボトルの水平リサイクル率(使用済みの製品を資源に戻し、再び同じ製品を作り出している割合)の引き上げに躍起になっている。
協栄産業はそのために必要な再生ペット樹脂(使用済みペットボトルを原料にするペットボトル樹脂)の製造を手がける。現在、年間約7万トンの生産力を持つが、「これからの需要に対してはとても足りない」(古澤氏)としてセブン&アイ・ホールディングスやJFEエンジニアリンググループと共同出資で、三重県津市に大型の工場整備を進める。生産能力は一気に7割増の12万トンに引き上がる見通しだ。
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