新型コロナウイルスの集団免疫は、科学者によると全成人の8割がワクチン接種を終えた段階で成立する。では、世界の接種がこのレベルに到達するのはいつか。2023〜24年というのが大方の見立てだ。背景には途上国の接種が遅れるという悲観論がある。G7(主要7カ国)首脳は先日、途上国に10億回分のワクチンを寄付すると約束したが、これが画期的な出来事として一部で好意的に受け止められているのも、こうした悲観論の裏返しといえる。
だが、悲観するのは間違いだし、G7の自画自賛的な態度も間違っている。というのは、現在の接種ペースが維持されるなら、世界は22年1月までに集団免疫を達成できる可能性があるからだ。各国の有識者で構成される超党派の独立組織「ポストパンデミック政策のための世界委員会」は、世界が集団免疫に到達するタイミングを試算し、それまでの日数をカウントダウンしている。筆者はこの委員会で共同理事を務めているが、私たちの計算によれば、驚いたことに、世界の集団免疫はG7などが想定する時間軸よりもはるかに短期間で実現しうる課題であることが明らかになった。
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