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経営者はそんなに偉いのか? CEOの増長こそ諸悪の根源

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石油大手エクソンモービルとたばこ大手フィリップ モリスがそれぞれ温暖化ガス削減と禁煙促進に向けた自社計画を高らかにうたい、ソーシャルメディア大手フェイスブックもインターネットの新規制を自ら呼びかける──。米大企業の経営者団体ビジネス・ラウンドテーブル(BR)がすべてのステークホルダー(利害関係者)に配慮した経営を行うよう求める声明を出してから2年と経たずして、このような動きが広まってきた。

今日の経営者は企業の責任に新たな時代を開こうとしているのか。それとも、これは自らの権力を守る行動にすぎないのか。

過去数十年にわたり、「株主至上主義の経営」は圧倒的な支持を集めてきた。が、ここに来て「株主価値の最大化が企業の唯一の目的であってはならない」とする議論が力を増すようになっている。

では、私たちは経営者向けに新たな憲章を書き上げ、幅広いステークホルダーに配慮した経営を行う権能を彼らに授けるべきなのだろうか。BRはそうした考えのようだ。だが、経営者の裁量権をさらに拡大しようとする動きには警告を発しておきたい。株主至上主義は、株価への執着を生み、働く人々と株主の対立を深めた点だけが問題だったのではない。その問題は、経営者に絶大な権力を付与した点にこそあった。

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