気候変動やコロナ禍をはじめとする現代の最重要課題は本質的にグローバルな問題であり、グローバルな対応が求められている。にもかかわらず、先進諸国で近年、自国優先の風潮が強まってきたことは驚きに値する。人類の66%は先進国および中国の外に住み、ワクチン接種から完全に取り残されている。こうした人々の間では怒りがふつふつと煮えたぎっており、その怒りが因果の報いとなって、いつ先進国に降りかかってもおかしくない状況にある。
世界人口の16%が住む先進国はコロナ禍からの景気回復が視野に入っている。さらに世界人口の18%を抱える中国の経済は、主要国の中で真っ先に立ち直った。
だが、それ以外の地域はどうか。国際通貨基金(IMF)が4月の世界経済見通し(WEO)で強調しているように、世界経済には危険な二極化現象が存在する。インドの感染爆発は地獄絵図の様相を呈しているが、途上国の多くは今後、これと同じ状況にさらされる可能性が高い。途上国ではすでに貧困が爆発的に増えている。途上国経済が全体としてコロナ前の水準を回復するのは、早くても2022年末以降になるだろう。
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