トヨタのおひざ元で起きた5000台を超す不正車検。メーカーと販売店の間で短時間の車検に対する認識のズレが垣間見える。
前代未聞の不正車検がネッツトヨタ愛知で発覚してから1ヵ月半、親会社であるATグループの山口真史社長が初めて会見の場で謝罪した。
5月13日の決算会見で山口社長は「時間内に作業を終わらせないといけないという意識が(整備士には)強く、効率を重視しすぎていた」と述べた。
不正の発覚当初から「ブランドが毀損された」と厳しく見ていたトヨタ自動車はこの日に注目していた。後日、トヨタ幹部は「不正車検は経営の責任。なぜ、山口社長は会見の場でそれを言わなかったのか」と憤りをあらわにした。
「山口社長は、心得違いをしている」
ネッツトヨタ愛知では10年以上前から「45(ヨンゴー)車検」と銘打ち、最短45分でのスピード車検を売りにしていた(不正発覚後は全店舗で中止)。不正に関与した整備士は国土交通省中部運輸局の監査に対し、「過剰な入庫が常態化し、顧客を待たせないように一部の検査を省いてしまった」と話したという。
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