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「バイデン図書館」に収められるもの 大統領の引退後、外交関連文書なども保管される

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4月の日米首脳会談。共同声明で中国への警戒が示されたが、多くの疑問点も残された。

バイデン米大統領は初の直接会談の相手に日本の菅首相を選んだ(AP/アフロ)

カリフォルニア州シミバレー。アーカンソー州リトルロック。テキサスA&M大学構内。

これらの地名を聞いて、「大統領図書館の所在地」と答えられた方は、よほどの「公文書マニア」だろう。

米国では大統領が引退すると、関連公文書を所蔵する図書館が公費で建設される。場所はその大統領の出身地。一般に公開される公文書は、大統領の通話記録から補佐官の手書きメモまで多彩かつ膨大。日米首脳会談関連の記録も含まれている。

例えば、テキサスA&M大学の構内に立つブッシュ大統領(父)図書館には、イラク軍によるクウェート侵攻時に行われた海部俊樹首相との電話による会談の記録が所蔵されている。1990年8月13日。事態発生後2回目となる電話会談で大統領は「日本の憲法上の問題点を詳しくは知らないが」と言いつつ、多国籍軍への「直接的貢献」を要請。「何ができるか考える」という海部首相の回答を引き出した。

カリフォルニア州シミバレーの小高い丘の上に立つレーガン大統領図書館には、88年1月8日付の中曽根康弘氏による親書が残されている。「もうすぐ私の後任がそちらに伺いますが、この首脳会談は日米関係の将来にとって重要です」──。自らの裁定で後継首相に選んだ竹下登氏を側面支援したのか。あるいは、自らがキングメーカーであることを誇示したのか。

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