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バイデン政権のロシア戦略をクレムリンはどうみているか ロシアに圧力をかけながらも問題別に協議を行うダブルトラック政策

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米ロ間で新たな外交ゲームが始まった。4月末、クレムリン(ロシア大統領府)筋から、ロシアの現状認識を記した分析リポートが届いた。興味深いのは、クレムリン筋が米国のバイデン政権は長期的な対ロシア戦略を持っていると認識していることだ。リポートにはこう記されている。

〈ロシアと米国との関係は冷戦以来、最悪で、これから長く国際政治に大きな影響を与えることになるだろう。関係改善の兆しはなく、さらに緊張が高まりそうだ。バイデン・チームからの情報によれば、ウクライナ危機、ロシアの議会選挙、ロシア経済の困窮、このような状況において米国は、今がロシアに政治・経済的圧力を強める絶好のタイミングだと考えている。圧力を強めることで、ソ連邦が内部崩壊した1990~91年のような状況を再現できるかもしれないとの意見すらある。もちろん、ロシアはソ連邦とは違うが、似たような傾向は存在するし、何よりも今は、外部からの情報操作が大きな力を発揮できる。トランプ前政権時代とは違い、バイデン政権は現在、ロシアに対する長期的な戦略を持っており、ロシアとプーチン大統領個人に対して圧力を段階的に確実に強化していく計画を立てている。〉

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