世界の主要国で「デジタル税」の議論が活発化している。中国の政策立案者たちは、デジタル・エコノミーの隆盛についてどのような見方をしているのか。
――デジタル税は国境を越えた協調が必要とされる国際的テーマです。これについてどのような見方を持っていますか?
デジタル税は最近のホットトピックの1つです。当然ながら、中国はそれを研究し、自国としての意見や提案を示すことを通じて、国際的課題に対する発言権を確保すべきです。
(デジタル税の課税対象となる)デジタルサービスは実に多種多様です。それに対して「課税する」ことは容易にコンセンサスが得られますが、何より難しいのは、税収が「誰に帰属するか」についての合意を形成することです。
これまでは、徴税権は国家主権の一部であり、それぞれの主権国家は税体系を自ら定める権利があると考えられてきました。しかしグローバル化が進んだ今日では、仮にある国が自国だけに都合の良いデジタル税を制定すれば、国際的な摩擦や対立をたちまち引き起こしてしまいます。
摩擦を回避するためには、まず(中立的な)国際機関を軸にしてルール作りや協調を進める。そのうえで、各国が相互に牽制し合うことを通じて利害の均衡を図る方法が考えられます。
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