米グーグルや米アマゾンといった巨大IT企業の台頭は世界的な関心の的となり、そのあまりに大きな影響力が近年は問題視されてもいる。同時に、企業の会計データを分析すると、原価に対する利益率が年々上昇していると指摘されるようになった。
経済学的なコストと会計データに計上されるコストには違いがあるため、実際に企業の利益率が上昇しているかどうかについては異論もある。しかし、大企業の市場独占力が高まっている、それゆえ企業の利益率が上昇している、という懸念が表明されることは多い。実際、米国では最近、独占禁止法の改正をエイミー・クロブシャー上院議員が提案した。市場独占への対応は、近年の米国政治の主要な議題の1つとなっている。
よい独占と悪い独占
ただ、一口に市場独占といっても、経済学的には「よい」独占と「悪い」独占が存在する。「よい」独占の例には、特許がある。特許とは、発明をしたらその技術を一定期間独占的に使用してよい、と法的なお墨付きを与えるものだ。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
ログイン(会員の方はこちら)
無料会員登録
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら