百貨店業界の苦境はコロナ禍が追い打ちとなって加速した。事業モデルの変革なくして生き残りの道はもはやない。
新型コロナウイルスの感染拡大が、苦境続きの百貨店の経営を大きく揺さぶっている。外出自粛や在宅勤務の普及などの影響で主力の衣料品販売は極度の不振に陥り、これまで二人三脚で成長してきたアパレルメーカーは百貨店からの撤退を急加速。とくに地方都市にある百貨店で大量退店が深刻だ。
「衣料品は以前から苦しかったが、コロナでとどめを刺された」。百貨店大手のJ.フロント リテイリング傘下にある高知大丸(高知市)の営業担当者は、業況の急激な悪化を嘆く。高知県唯一の百貨店である同店では2020年7~8月、婦人服と紳士服の合計31ブランドが一気に退店した。撤退分の売り場面積は計1200平方メートルで、同店全体の1割弱にも及ぶ。
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