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先端材料で世界シェア7割に IT支える“超"黒子企業 【4187】大阪有機化学工業

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創立80年の老舗メーカーが先端的半導体材料で首位となった理由。

主力の金沢工場(石川県白山市)。コンビナートでの大量生産とは対照的な少量多品種生産に特色(写真:大阪有機化学工業)

「見えないけれど、あなたのそばに」がキャッチフレーズの独立系化学メーカー、大阪有機化学工業。主力製品はほかの多様な化学品の原料となる「特殊アクリル酸エステル」だ。

今IT産業から特殊アクリル酸エステルへの需要が爆発的に増えている。

出発点は、最近の遠隔勤務の普及とも相まってのパソコンやデータセンターのサーバー需要増だ。それにつれ需要が伸びている記憶媒体の中では、近年はハードディスク駆動装置より省エネな半導体NAND型フラッシュメモリーの比重が増えている。そのため、同メモリーの需要が急増。結果、その生産方法の戦略との兼ね合いで、特殊アクリル酸エステルの需要も急増しているのだ。

従来の半導体産業では、巨額な研究開発費と設備投資による加工微細化で、1チップ当たりの素子集積数を増やし、競争力を高めるのが定石だった。

だが近年のNAND型フラッシュメモリーは、1チップに集積できる記憶素子数は少しずつしか増やせなくとも、可能な限り既存の設備を利用し、チップを垂直方向に積層する3次元化でメモリー全体の記憶容量を増やす戦略が一般的だ。

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