人の移動を促す政策は長期的には失業者増大リスク 在宅勤務困難職種、非正規労働者などに高いリスク

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新型コロナウイルス感染症陽性者数の急増を受け1月に再発令された緊急事態宣言は、当初予定より期間が延長されることとなった。この政策は感染拡大の防止を期待できる一方、レストランや小売店、観光業を中心に、倒産や失業者の増加など経済的なダメージを伴う可能性がある。

感染拡大と経済的コストのトレードオフをどのように管理するかは、このパンデミックにおいて最も熱く議論されている政策課題の1つである。しかし、これを定量的に推定した既存の実証研究は限られている。

政策への合意形成が困難

感染と経済のトレードオフを考えるに当たって大事なのは、次の2つの視点だ。1つ目は、人々の異質性である。属する産業や職業、雇用形態など、緊急事態宣言に伴う失業リスクは人によって異なる。また、感染による重症化のリスクも基礎疾患の有無や年齢に応じて違うため、最適だと考える政策も人によって異なる。このため、感染対策と経済に関して、人々の間で政策的な合意が形成されにくい。

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