自動車需要回復でも半導体不足が直撃 増産できない特殊事情
需要はあるが造れない。回復途上の自動車生産に水を差すおそれが生じている。
新型コロナウイルスの影響から脱しつつあった自動車業界で、半導体不足を理由にした生産ラインの停止が相次いでいる。
2020年12月、独フォルクスワーゲンが傘下の複数のブランドで21年1〜3月の生産を減らすと発表。年明けからは日産自動車やホンダなどの国内工場も生産調整に踏み切る。トヨタ自動車も米国での生産ペースを落とす。
原因は、自動車に大量に使われる半導体の不足だ。フォルクスワーゲンは今回の生産調整の発表文で「コロナ禍で自動車産業が停滞した際、半導体メーカーがほかのエレキ製品に生産能力を振り向けた。ところが、今度は自動車生産の急な回復により、電子部品の不足に直面した」と説明した。
実際、自動車産業のコロナ禍からの回復は想定以上だ。昨年春、世界的な感染拡大で自動車各社は工場停止を余儀なくされ、自動車販売も大きく低迷すると予想された。
ところが、いち早く経済活動を再開させた中国で需要が復活。日本や北米市場も昨夏以降、徐々に調子を取り戻した。前年比2割超の減少が確実視されていた20年の新車販売台数は、ふたを開けてみれば前年比15%減の7650万台だった(乗用車のみ、英調査会社IHSマークイット)。
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