伊藤忠の「大エース」が担う改革の重責 「か・け・ふ」でファミマはどこまで強くなれるか

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2016年9月にサークルKサンクスと合併したファミリーマート。伊藤忠商事によるTOB後に社長交代が決まり、いよいよ改革が本格化する。合併後にファミマはどう変わってきたのか。過去の社長インタビューや記事も交えて改革の行方を探る。

澤田社長(右)の後を受けて改革に挑む細見社長(左)(写真:ファミリーマート)

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「2021年はファミリーマート40周年という重要な節目の年。新たな体制でよりよい会社にしていくため、社長交代を決めた」。1月18日の会見で、ファミリーマートの澤田貴司社長はそう語った。

今年3月から社長に就くのが、「(伊藤忠商事の)大エース」(澤田社長)である細見研介氏(58)だ。細見氏は伊藤忠入社後、約30年間にわたり繊維部門を歩んだ。過去にはアメリカのバッグブランド「レスポートサック」の全世界の商標権使用について競合に決まりかけていた中、3年越しの交渉で獲得した功績がある。

その後、細見氏は食品流通部門長を経て、新たなビジネス創出を目的として2019年に新設された「第8カンパニー」のプレジデントに就任。この新組織に課されていたのが、伊藤忠傘下のファミマ改革だった。岡藤正広会長CEOの「懐刀」とされる細見氏は、王者セブン-イレブンに水をあけられているファミマの改革加速に向けて送り込まれた格好だ。

社長交代会見で細見新社長は「eコマースをはじめとする他業態との競争の激化に加え、デジタル化とコロナ禍の深刻化で人々のライフスタイルが急速に変化している。まさに嵐の中の船出だが、次の40年の持続的な成長に向けて確実に一歩を踏み出し、礎を築くのが私の使命」と語った。

今回の社長交代に合わせて役員も大幅に入れ替わる。4人の社外取締役は2月28日付けですべて退任する。そして、8人の社内取締役のうち、コンビニ業界出身の2人に代わって伊藤忠から2人が加わり、4月からは髙柳浩二会長、細見氏など6人が伊藤忠出身者となる。

では、細見氏はどのようにファミマを舵取りしていくのか。

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