海外事業拡大に向けたグループ再編、異業種大手との相次ぐ提携、そしてNTTドコモの完全子会社化──。NTTが国内外の事業拡大に向けて猛然と動き出している。
2020年12月25日、NTTドコモが20年余りの上場企業としての歴史に幕を下ろした。
9月29日の会見でドコモ完全子会社化を発表した持ち株会社NTTの澤田純社長は、「携帯キャリアの収益で3番手になったドコモを強くしなければいけない」と強調した。携帯電話の契約数は直近では3四半期連続で純減が続いており、まさに独り負けの状態だ。このまま放置しておくと競合にどんどん後れを取るとの危機感から、NTTは4.3兆円を投じたドコモのTOB(株式公開買い付け)に踏み切った。
上場廃止を待たずして12月1日にドコモ新社長に就いた井伊基之氏は、持ち株会社でドコモ立て直しの戦略策定に関わっていた人物だ。現役の社員は「(前社長の)吉澤さんは“スマート”だったが、井伊さんは“ゴリゴリ”。澤田さんと同様に『業界3番手』を連呼し、今のドコモは全然ダメだ!とハッパをかけている」と打ち明ける。要は、穏和な前社長に対し、とにかくアグレッシブな新社長ということだろう。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
東洋経済ID 会員特典
東洋経済IDにご登録いただくと、無料会員限定記事を閲覧できるほか、記事のブックマークや著者フォロー機能、キャンペーン応募などの会員限定機能や特典をご利用いただけます。
東洋経済IDについての詳細はこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら