体を動かすことで誰もが喜びを得られる 心理学者 ケリー・マクゴニガル氏に聞く

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Kelly McGonigal 米スタンフォード大学で博士号(健康心理学)取得。健康心理学者としてスタンフォード大学で講師を務めるほか、心理学や神経科学などの知見を用いて心身の健康や人間関係向上などに役立つ戦略提案をしている。ダンスやヨガの指導者でもある。(撮影:梅谷秀司)
スタンフォード式人生を変える運動の科学
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ランニングでも散歩でもダンスでも、週3回体を動かすことを6週間続ければ運動嫌いでも習慣になる──。定期的な運動の効用は健康増進にとどまらず、うつ病を抑制したり、レジリエンスを鍛えたりと、人生の満足度を高めるという。

不可能なことを成し遂げると困難に対する見方が変わる

──普段どれくらい体を動かしているのですか。

コロナ前はスタンフォード大学まで1日2回歩いて通っていたので、それだけで数時間。さらに数時間エクササイズを教えていました。今は、運動時間はだいぶ減って、1日2回、計2時間程度です。

これが標準というわけではありません。私の場合、運動が日々の喜びであり、精神を安定させてくれます。本を読むのも好きで毎日数時間読んでいて、どちらも生活の一部として定着しています。

──時間の捻出が大変そうです。

運動は睡眠と同じように必要なもので、テレビを余計に1時間見るくらいなら運動するし、運動を前提に1日の予定が成り立っています。もちろん、誰もがそうすべきだとは思いません。ただ3~4分の曲に合わせてヨガをしたり、踊ったりならできるでしょう?

運動をするのであれば、いつもより1時間早起きをしてするほうがその後の活動にポジティブな影響を与えることが科学的にも実証されています。1時間となると面倒くささが先立つけれど、活動と活動の間に3分でもいいから体を動かすようにするといいでしょう。

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