突如始まった飲食に関する浪費禁止キャンペーン。背景にある政権の意図を探る。
8月12日および13日の中国共産党機関紙・人民日報は、それぞれ1面に、「飲食に関する浪費行動の断固阻止」という習近平総書記の重要指示を掲載した。この重要指示は、「社会全体で、浪費は恥であり節約が誉れである、という雰囲気を醸成しなければならない」というもの。国営新華社も同様に報道している。
「舌尖上的浪費(舌の上の浪費)」阻止はスローガンとなり、中国国内でキャンペーンが展開されているようだ。国民の間でも「舌尖上的浪費」阻止は大きな話題になっており、レストランで少なめに注文する行為が美徳であるかのように報じられている。
もちろん、食糧安全保障はいずれの国にとっても重要な問題である。しかし、重要なのは食糧安全保障だけではないはずだ。中国がエネルギー安全保障に敏感なことはすでに広く理解されている。それにもかかわらず、習総書記が、飲食に関する浪費阻止をことさらに指示するのはなぜだろうか。
中国の指導者による飲食の浪費阻止の指示は種々の背景を想像させる。報道によれば、新型コロナウイルス感染拡大、自然災害、米国の圧力、という3つの事象が中国の食糧事情を悪化させたことが背景にあるという。
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