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米中摩擦で改善する中国の事業環境 知的財産の保護や外資規制をめぐる米国からの批判が規制緩和を後押ししている

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中国はビジネス環境の改善を急ぐ。写真は外国記者団に知財保護の取り組みを説明する中国当局の職員(読売新聞/アフロ)

米中両国間のデカップリング(分断)が叫ばれる。対中投資は避けるべきだ、との認識も広がる。しかし逆説的に、米トランプ政権が知的財産保護の状況や外資規制を問題視した結果、2017年以来、中国国内の規制が緩和され、ビジネス法規は整備されてきた。

単純化すれば、トランプ政権が中国をたたけばたたくほど、中国国内のビジネス環境が改善する。結果、対中投資は底堅くなる一面もある。

中国政府はかねて市場メカニズムの役割を強調してきた。「改革と開放を推進する」との文言は、今年の政府活動報告にも入った。その言葉を文字どおりに受け入れる必要はないが、規制緩和の進展は数字に表れている。

1つ目の数字は、外資規制リスト上に記載される分野の減少である。6月に発表された20年の外資投資規制リストでは、外資を制限または禁止する分野が前年の40項目から33項目へと、7項目減少した。今回は例えば商用車の製造や、人口50万人以上の都市の上下水道網建設について、外資の出資比率制限が撤廃された。

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