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度を越した習近平「神格化」の弊害 習礼讃ムードが高まる中、反逆者の烙印を押されれば命取り

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中国では習近平への個人崇拝が強化され、政治が社会生活を妨げ始めている。

英明な唯一の指導者として習近平礼讃ムードが高まる。写真は6月の寧夏回族自治区での視察(新華社/アフロ)

中国で国家主席・習近平の神格化の動きが止まらない。毎日のトップニュースを飾るのは習。新型コロナ問題でも長江の大洪水でも、習は人民の生命や財産を最も大切に思い、政府と軍に大号令をかけ、先端技術を駆使して自然災害に立ち向かう英明かつ唯一の指導者として描かれる。あたかも、彼だけが人民に真の愛を与える存在であるかのように。

新型コロナ以降、中国は強硬かつ非合理な「戦狼(せんろう)外交」を繰り広げ、国際約束を反故にして自由な香港を恐怖政治の場所に変えた。英中関係も急速に悪化。今年度は中国が実効支配するスプラトリー諸島のサンゴ礁を「国防用途島」化する第1期海島保護長期計画の最終年度であるため、南シナ海の緊張もますます高まるだろう。

外から見れば世界を新冷戦に駆り立てているように見える中国。だが、今、中国のエリートがいちばん懸念するのは国際秩序の不安定化ではない。彼らの関心の焦点は、急進化する自国の国内政治にある。習への個人崇拝が目に見えて強化され、理性を失った政治が社会生活を妨げ始めている。

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