三菱自動車、拡大路線のツケ 欧州縮小にパジェロ消滅
主力の東南アジアに経営資源を一極集中するが、課題は山積している。
「メガマーケットでの拡大戦略に無理があった。当社の規模では全方位の戦略を採り続けるのは現実的ではない」。三菱自動車の加藤隆雄CEO(最高経営責任者)は7月下旬の電話会見で、主要市場での販売拡大を狙った戦略の失敗を率直に認めた。
同社が公表した2020年度の業績見通しでは、売上高は1兆4800億円(前期比35%減)、減損損失の計上などで最終損益は3600億円の赤字(前期は258億円の赤字)を見込む。
併せて発表した中期経営計画には、一部の国内工場閉鎖や欧州への新型車投入の凍結といったリストラ策を盛り込んだ。今後は主力の東南アジアへ経営資源を集中投下して、業績回復への道筋をつける構えだ。
三菱自の拡大路線は、16年の燃費不正問題による業績不振を受け、日産自動車の傘下に入ったことに始まる。仏ルノーを含む3社の会長を兼務したカルロス・ゴーン氏の下、米国や欧州、中国といった巨大市場での販売拡大戦略に打って出た。
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